平成19年6月

■千葉県立中学校設置条例の制定についてへの反対討論
■新型インフルエンザ対策の備蓄用治療薬として、タミフルを約5億8,000万で購入する議案への反対討論

 市民ネットワーク、 千葉市緑区選出の川本幸立です。


 私は、議案第2号、第19号に対する反対討論を行います。

 まず、議案第2号千葉県県立中学校設置条例の制定についてへの反対討論を行います。
千葉県立千葉高校に中学校を併設する、この中高一貫教育については、少数のエリート養成教育という批判もあり、小学校からの受験競争を一層加速させることも危惧されます。20日の一般質問で、私は、千葉の教育施設環境の劣悪さを指摘し、5年、10年先の千葉の教育環境の未来はないとし、行財政改革の是正を求めました。同じその20日に、教育関連3法案が参議院本会議で可決されました。ユネスコで示されている教育の国際常識は、子供の自治能力の育成、学校自治の保障、教育目標の計画策定から評価まで、関係者すべてが参加し、多面的に見きわめることであり、この教育3法は、これらの国際常識とは相反する方向であることから、今後教育財政、条件整備の一層の後退が危惧されます。

 さて、6月6日午後、県立千葉高校を訪問し、関係者から県立中学校設置の説明を受け、学校施設を視察しました。主役である子供たちが本当に生き生きと中学校生活を送ることができるのか、それを保障する施設環境にあるのかという視点からチェックをしました。その結果、その教育理念と、こうした施設環境の余りの落差に強い違和感を持ちました。校舎は新設されるのではなく、定時制を廃止、正確には県立生浜高校に統合することで、あいた部屋を利用する方針であり、定時制の食堂部分も、その一部に間仕切り壁を設け、教室を確保するといいます。そもそも定時制と全日制は、施設を利用する時間帯が原則として異なりますが、中学校と高校は同じ時間帯に使用することになります。グラウンドや体育館、音楽教室、理科教室などは、高校と共用となるため調整が必要となります。部活動も伸び伸びと行えるのか、満足に行えないのではないか、そうした目で見たとき、子供たちのそれを保障する施設環境ではないと考えます。

 昨年末、第61回国連総会で、障害者の権利条約とその選択議定書が採択されました。そうした流れの中で、車いすの生徒が入学するソフト、ハード両面の対応もできてはおりません。また、給食については、今後検討するというものでありました。施設の見学では、私は建築技術者の立場で見ましたが、老朽化した施設と塗装が著しくめくれ上がった階段室の内壁、汚れが目立つ外壁面、無秩序な増設と段差の多さ、迷路のような動線に驚きました。財政危機の折、改修など化粧直しの予算がつなかいという話でありました。このように、中学校として機能し、生徒たちの伸び伸びとした発達を保障する施設環境という面で未整備であることから、憲法26条などに照らし、中高一貫校の問題点をあわせて、本議案には反対いたします。


 次に、議案第19号財産の取得についてへの反対討論を行います。

 本議案は、新型インフルエンザ対策の備蓄用治療薬として、いわゆるタミフルを約5億8,000万円で中外製薬より購入するというものです。本議案は、感染症法とも関係がありますが、昨年末の国会で感染症法改正案が審議された折、私は、薬害防止を含む生物災害予防のNPOの立場から衆議院厚生労働委員会で参考人として意見陳述をしました。このNPOの立場も踏まえて討論をいたします。

 厚生労働省は、16日、タミフルを日本で販売開始して以来、本年5月31日までに1,377人の副作用の報告を受けたと発表し、このうち567人は重篤な精神神経系反応であり、211人が異常行動を伴うものであり、死亡数は71人としました。こうしたタミフル服用後の異常行動死や突然死、急性心肺停止の原因は、タミフルであることが指摘されています。

 一方、中外製薬は、18日、タミフルと異常行動との関連を調べる実験の概要を発表しました。厚生労働省作業班の指示を受けて実施するもので、健康な人を対象に臨床試験を実施し、タミフルが脳にどの程度取り込まれ、睡眠にどのような影響を及ぼすかを調べ、動物実験も実施し、毒性や脳内での作用の仕組みを改めて検証するとしています。販売後に臨床試験や動物実験をやり直すのは極めて異例のことです。臨床試験は7月に始め、12人以上を対象に実施し、9月に中間結果をまとめ、年末までに最終結果を厚労省に報告する、動物実験は9月をめどに報告を終えると、そういうことであります。

 本来、風邪の一種であるインフルエンザは、安静にしておけば自然に治癒するものです。日本の臨床試験でも、タミフルはA香港型や2005年のB型にも効果なく、ぜんそくの子供は治りが遅くなることも確認されています。タミフル耐性のインフルエンザウイルスも確認されています。いわゆるインフルエンザ脳症との関係も含めて、通常のインフルエンザ治療にはタミフルは不要であることは世界の常識です。にもかかわらず、大した効果もなく、副作用事故と隣り合わせのインフルエンザワクチン、タミフルなどが日本では多用されている。インフルエンザ治療における日本の医療行政のある意味では異常が、こうした事故の教訓からも指摘されます。

 さて、問題の新型インフルエンザへの対策、効果ですが、タミフルが役立つという確実な証拠はまだないのが現実です。国際医薬品情報誌協会は、WHO、世界保健機関に対し、タミフルの備蓄を中止するよう求めています。病原体すらわからなかった90年前のスペイン風邪と同一の次元でとらえられ、膨大な被害予測がひとり歩きしています。情報の流通、衛生環境、食糧事情など当時と大きく異なり、現代の科学技術を駆使して発生の防止、伝播の阻止を図る努力によって、水際で被害を最小限に食いとめることは可能だと考えます。また、ウイルスの毒力変異は、SARSに見られるように、強毒化とともに弱毒化、無毒化の方向もあり得ます。それらの変異発現の条件が不明な今日、強毒化の方向のみ力説されているのも問題だと考えます。

 以上より、タミフルの副作用、有効性、新型インフルエンザへの対応のあり方、臨床試験や動物実験をこれからやり直すという事態にあるということ、どれをとってみても5億8,000円もの予算を使って契約する意味は現段階ではないと考え、第19号議案には反対します。

 以上、反対討論を終わります。